ラブストーリーとしては先週第9話の小鳥遊大史(オダギリジョー)と別れて1人で生きて行く決意をしたとわ子、というのがある意味最終回だったので、第10話は今までの伏線回収や、9話まで観ていた視聴者へのご褒美のような回だったなと思います。
【大豆田とわ子と三人の元夫(まめ夫)】9話ネタバレと感想 続編は一作目を越えられない
9話のあらすじ 9話はとわ子が4度目の結婚をするかどうか明らかになった回でした。 ビジネス上は敵対関係にありながら、心を通わせる大豆田とわ子(松たか子)と小鳥遊大史(オダギリジョー)。ところが、社長からの恩義に縛られることなく生きることを選...
10話(最終回)のネタバレ
船長、逮捕のニュース
第1話で船長を装い、とわ子を騙そうとしていた斎藤工さん演じる結婚詐欺師が逮捕されたというニュースが報じられ、会社で話題になります。
船長の帽子をかぶった女性の写真を集めるのが趣味だったらしく、とわ子の目にモザイクがかかった写真もテレビ画面に登場!
動揺するとわ子にいちはやく気づいたのは六坊さんで、すかさずフォローするところはさすが!
とわ子の初恋相手が登場!
その後、とわ子は初恋の相手だった竹財輝之助さん演じる甘勝岳人とオペレッタで偶然再会し意気投合します。
ヘリコプターの操縦士だという甘勝が、とわ子に帽子を被せて写真を撮るシーンは船長の時とデジャブ感があり、なんとも胡散臭い…。
後日、甘勝とのデートでとわ子は「凄く素敵なレディになった。男が10人いたら9人好きになっちゃう。まぁ、俺は残りの1人だけどね。友情感じちゃう」と爽やかな笑顔で告げられショックを受け、帰りに甘勝にぎゅーっとされるわけでもなく自動ドアに挟まれ、ぎゅーっとされこの恋は始まることもなく終わりを迎えます。
とわ子の母つき子とマーさんの関係
とわ子は亡き母親・つき子が出せなかった國村真への恋文を偶然、見つけてしまいます。
唄の提案で真に会いに行くと、男だと思っていたマーさんは女性で、男性だと思い込んでいた私もはっとさせられました。
風吹ジュンさん演じるマーさんはつき子と小学校の時にバレエ教室で知り合い、何でも話し合える友達となりました。
「恋人だったの?」と率直に尋ねる唄に対してマーさんは「素直に言えるって素敵ね、今の時代はそうなんだね」と言った後、「ありがとう」と伝えます。
マーさんは、とわ子が母に本当は愛されていなかったのでは?と不安に思っていることに気づき、「つき子は貴女のことを愛してた。家族を愛してる人だった」と伝えた上で、「家族を愛していたのも事実、自由になりたいと思うのも事実、誰だってジタバタして生きてる。愛をまもりたい、恋におぼれたい、一人の中にいくつもあって、どれも噓じゃない」
矛盾しているように見えてもどれも事実で、選んだ方で正解だと語ります。
最終回で突然の風吹ジュンさん登場!マーさんの雰囲気や佇まいからとわ子はかごめの姿を重ねて親しみを感じたのか「ときどきここに来て良いですか?」と聞きます。
つき子とマーさん、かごめととわ子、重なるイメージ。マーさんがコロッケを食べながら出迎えたシーンからもかごめのイメージと重なります。
母親が自分のことを愛してくれていたと知り、涙ぐんでいたとわ子が印象的でした。
娘の唄が医者になると宣言するまで
自分が医者になるより恋人の西園寺くんが医者になる確率の方が高いからと“医者の妻”になる道を選び、西園寺くんのパシリや宿題の手伝いもしていた唄を見かねたとわ子は西園寺くんからの電話で
「大学落ちろ」と言ってしまい、唄が部屋に閉じこもってしまったので、鹿太郎に謝り方をレクチャーしてもらい、菓子折りを買って西園寺家に謝罪に訪れるのですが、全て難癖をつけられて何度も門前払いされてしまいます。
その対応にキレたとわ子は最後に「(大学に)落ちてしまえ!」と捨て台詞をはいて退散します。
このドラマには今までにも「姿を見せない主要人物」(社長、社長のお嬢さん、松林のお母さん)がいましたが、西園寺くんもそうかと思ったら、最後に声だけの出演があったのが意外でした。
そして、想像以上のクズ男っぷり(笑)
今までも谷中さん演じる門谷など、男から女へのマウンティング、日本の男女格差が浮き彫りになる場面が描かれていましたね。
“医者の妻”になることに固執していた唄はマーさんの家を訪れた時に思うところがあったのか「私やっぱり医者になる。医者目指して勉強する」と宣言します…!
とわ子と父の対話
マーさんの家を訪れたその日の夜、とわ子は父の旺介と話します。
旺介はとわ子の母との思い出を話し始め、「お母さんには悪いことしちゃった。あなたにも」と言い、とわ子が自転車に乗れないことは自分が教えなかったせいだと思っていたようです。
「お父さん、どこいくの?お母さん、どこいくの?と言ったの覚えているか?お母さんは悪くない、私が悪い」と旺介は網戸を直しながら言います。
旺介はとわ子が1人でも強く生きられるようにさせてしまったと思っていたけれど、とわ子はそれを否定します。
「今はひとりだけどさ、田中さんも佐藤さんも中村さんも、お父さんも。みんな私が転んだときに起こしてくれた人だよ。今度、自転車おしえてよ」
と言うとわ子に旺介は「うん」と頷きます。
今まで元夫の誰も直さなかった網戸を!大史は直したけどすぐはずれてしまった網戸を!最終回で父親が直すことになるとは!
大豆田とわ子と三人の元夫
初恋の恋に破れた夜、お風呂に入って寝ようと思っているとハワイ帰りの慎森が来て、日焼けした顔を見てとわ子は爆笑。
鹿太郎と八作もやってきて慎森が買ってきた「英字新聞シャツ」のお土産をそれぞれ着用してドラマの後半は、とわ子と三人の元夫のわちゃわちゃタイムのはじまり〜!
元夫たちがボーリングのピンになる「元夫ボーリング」なるものをやって盛り上がります(笑)
「お土産いります?」と言ってた慎森がお土産買ってきた!
成長してる〜!
元夫1人1人に改めてプロポーズされるとわ子…と思ったらそれは夢でした…でも目覚めても三人の元夫は微笑んでいて、八作が「僕たちはみんな君のことが好きだってこと。大豆田とわ子は最高だってこと」と言い、夢で聞いた台詞がそのまま現実になります。
とわ子は「ありがとう、私はそうだな、私の好きはその人が笑っててくれること、あとは何でもいい」と言って和やかな時間が流れます。
「その人が笑っててくれること」これに尽きますね。
ある日突然親友を失う経験をしたとわ子はとにかく笑っていてくれれば、という思いが人一倍強いでしょうし、このコロナ禍にこの台詞はとても響きました。
「大豆田とわ子」を演じた、松たか子の家族の家系がスゴイ!?
日常は続いてゆく
・大豆田とわ子は自分で網戸を直せるようになりました。(1人で生きていける!ということの例えかな?)
・公園で翼(石橋菜津美)がトランペットを吹いていて、女優の美怜(瀧内公美)はドラマの撮影をしていて、早良(石橋静河)は保育士として働いています。
街を歩く大豆田とわ子は3人の女性を見かけるけれど、お互いに顔を知りません。(憎い演出!)
・慎森は雑談ができるようになり、鹿太郎はカメラマンの仕事に励み、八作はオペレッタで料理をお客にふるまい、それぞれの日常が営まれています。
最終回の主題歌は5話と同じくT-Pablow(BAD HOP)!
最終回では5話と同様T-Pablowさんがフィーチャーされた「STUTS & 松たか子 with 3exes – Presence V (feat.T-Pablow) 」が主題歌としてオンエアされました。
主題歌がかっこいいので、そのままクールな演出で終わると思いきや、エンディング終了後、とわ子の行く方向に着いて来る三人の元夫に「なんでついてくるの」とわ子。
「こっちが帰り道だから、ねっ、ねっ、ねっ!」と言ってとわ子が方向転換しても追いかけてくる三人の元夫たち。という、くすっと笑えるエンディングで締めたのも良かったです。
まとめ
毎週毎週心に響く台詞の数々で、またまた「坂元脚本恐るべし!」と思わされる作品でした。
映像も、音楽も、ファッションも、食べ物も手が込んでいて、見ているだけで高尚で豊かな時間を過ごしている気分になれました。
そして男性出演者の条件に「色気のある人」という項目があったんじゃないかと思うくらい、次々と色気のある俳優さんしか出てこなくて、目の保養タイムにもなっていました(笑)
坂元裕二さん脚本の作品はなかなか続編とかにはならないんだけれども、これは続編を、せめてスペシャル番組を期待してしまいます!